下克上と出世と査定

下克上は小学校の歴史で習ったと思いますが地位が下のものが実力や策略によってその地位を奪い取る事を指しますが、なにを勘違いしたのか会社に実力主義とか成果主義とか能力主義とやらを強引に持ち込んでこれからは下克上の時代になるとか寝言を言い出した経営者が居ましたね。

推測するにその社長は自分の身は安泰で下で働く社員たちは出世するために、目一杯一生懸命働いて会社の売り上げも急上昇するだなんて妄想が頭の中に渦巻いているんでしょうけど果たしてどうでしょうかね？

行き過ぎた成果主義、実力主義が弊害を生んで企業の長期的な成長を阻害することが徐々に知られてきましたけど、それが社長自ら下克上を宣言するなんて状態ではまぁ先は長くないような気がいたします。

最初に書きましたけど下克上なんてものは実力以上に策略に長けている人が自分より上の人の足を引っ張って引き摺り下ろして、でもって後釜にまんまと自分が納まるって事ですから、下手すると売り上げを上げるって実力で出世を目指す事よりも手っ取り早く？社内営業ならぬ社内謀略で出世を目指すなんて事態が発生しちゃうんですよね。

別に下克上を宣言しなくても社長にやたらとまとわり付いてご機嫌取りに余念が無いコバンザメみたいな社員が大企業には何匹か泳いでいたりするもんですけど、そんなんが増殖したら会社は傾いちゃいますね。

日本には阿吽の呼吸とか以心伝心とかお天道様が見ているとか、会社も別に自己アピールしなくても真面目に仕事に取り組んで実績を出していればちゃんと見る人は見ていて救い上げてくれるってのが良いと会社ですし、それが社員に伝わっていればちゃんと社員は働くんですよね。

まぁ感情を持った人が集まって会社が出来てますから個人的な好き嫌いですとか恣意的なものが発生してすれが人事に影響してしまうのはいくら排除しようとしても残ってしまうわけですけど、じゃぁ徹底的に排除するために査定は売り上げ実績だけで他は一切考慮しませんとか、人格だの性格だの人間性？はぁなにそれ？それっておしいいの？なんて世界を想像すればどんな状態になるのか分かりますよね？

実際に完全能力主義を地でやっている外資系企業ってのが確かにありますけど、彼らのやっていることは使える人材を引っ張り込んで、実績が上がらなくなったら使い捨てでまた新たな使える人材を探して引っ張ってくるなんて事の繰り返しをやっている企業も存在するんですよね。

実力があると勝手に自分で思い込んでいる営業マンの方の中には、自ら進んで実力主義の外資系企業に喜んで転職しちゃう人も数多いようですけど、どっちが得か良く考えてみようって処ですね。