社員の多様性と組織崩壊
基本的に会社としての組織の規模が小さいほど社員の多様性を許容できる要素がありまして、それは誰が何をやってもちゃんと社長以下社員全員が他の社員の行動を把握できていますし、そもそも零細企業や中小企業の持ち味の一つが身軽さだったり機敏性に有るんですから、全員が同じ方向を向いていたら横とか後ろとかの方向からの情報や危険性を察知できませんからね。
まぁ基本的には折角さまざまな考え方や個性を持った人が集まって会社組織が出来ているんですから、わざわざ金太郎飴みたいに社員全員が一糸乱れぬ行動や画一化された考え方で発送するのは勿体ないと思うのですけど、組織が大きくなると個人の個性よりも組織の規律や維持が重要になってきます。
そりゃまぁ数百人規模の会社組織になってきますと、社長は社員の半分も把握できないようになってきますし、多様性を重視しすぎて各自が勝手な行動に走ってしまいますと、下手すると組織崩壊みたいな事になってしまいますからね。
昔の話ですが仕事の関係で接触が出来た今は倒産して無くなってしまった中堅ゼネコンの社員から聞いた話ですけど、隣は何をするものぞ、みたいな感じで各自がやりたい仕事を勝手に見つけて買ってね行動に走るのが文化みたいな社風の会社がかつてありました。
これが景気が良い頃でしたら社員は自分の興味をもった仕事に全力投球して結果を出していましたから、社員も仕事にやりがいを感じていましたし、勝手に多角化とでも言いましょうか守備範囲が広がっていくような感じで実に上手く回転していたんだそうです。
しかし景気の後退局面になりましても同じような個人主義みたいな組織運営をプロ集団だからこうなるみたいな感じで進めていたら、もう次々と赤字のプロジェクトが出てきてしまいますし、組織全体で何か大きなことに取り組むような仕事スタイルを一切やってこなかったんですから、全員四番バッターで全員が投手兼任のチームみたいになってしまいまして、気がついたら会社は消滅していました。
思うに中小企業から一気に急成長して大企業に成り上がった会社が数年で成長が一気に鈍ったり、経営が傾いてしまうなんて事例は山ほどありますけど、やっぱりね昔は社員との意思疎通が取れていて普段は個人主義のようでも、必要な時はちゃんと統率ある行動が取れていたのに組織が大きくなって売上も大きくなってけど、組織崩壊の一歩手前じゃないかなんて場合も多いのではないでしょうか?
ですから会社の規模が大きくなるに連れて意に沿わなくても金太郎飴方向に進まざるを得ないのではと感じるのであります。