新規顧客開拓と許される嘘
誰が言い出したのか嘘つきは営業マンの始まりなんてのがありますけど、長年の商取引を行なっている固定客であれば下手な嘘なんてつくと固定客を失ってしまいますから問題が大きいのですけど、まったくの新規顧客開拓の場合でしたらどうでしょうか?
例えばね個人宅でも法人でもどっちでも同じなんですけど、営業マンがアポ無しでいきなり飛び込み営業してきまして、こんな風に切り出したと致しましょうか?
「こんにちは、はじめまして私は株式会社自転車操業、地区担当営業の丸出だめ夫と申しますが、本日は近くの客様に納品でお邪魔したのですが、周辺の法人様にご挨拶で回らせて頂いています」
実際のところ周辺にお客なんて皆無で納品でこの付近にやってきたのも真っ赤なウソ、単に訪問の口実で言っているに過ぎないわけで、飛び込み営業で訪問した相手に近くにうちのお客が居るんだよって安心感をそれとなく与えているんですよね。
このくらいの嘘でしたら営業マンにとっては日常茶飯の話でして、もし近くのお客ってどこ?なんて聞かれましてもそれは慣れたもので通りを挟んだ向かい側の商社さんですとか、慌てず騒がずさらりと切り抜けてしまうわけですけど、このレベルでしたら飛び込みで訪問される相手にとっても、営業マンの常套句みたいなもんで許される範囲じゃないかと思うのですよ。
さて営業マンの仕事ってのは言われるまでもなく自分の所属する会社の商品をお客に対して販売することが目的ですから場合によっては全てを正直にお話いたしましたら、売れるものも売れないなんて事になる場合も少なくないんですよね。
ですから営業マンの場合は他の人と違って多少の嘘は許されるわけじゃないんですけど、真面目な営業マンとしては許される範囲で営業活動にまい進するわけですよ。
話を新規顧客開拓に絞って致しますとどうも扱っている商品が市場の評判が芳しくなくて、クレームの発生率も非常に高くてもそんな事は正直に話すわけには行かないですから、そこで知恵を絞らなくちゃいけないわけです。
例えば商品の評判について聞かれましたら「お陰様で順調に販売をさせて頂いています、そりゃお客様は色々な方がいらっしゃいますからクレームも無くはないですけどキチンと対応させて頂いています」
みたいな感じで上手に切り抜けるわけですね。
まぁ確か嘘をつかない人はいないって事実が有りまして、嬉しくもないのに「お会いできて嬉しいです」とか「お待ちしていました」なんて全然待ってもなにもないのに、常套句として出てくるとかね。
まぁ営業マンってのはそのウソのしきい値が少しだけ他の人と違うんじゃないと思いますが、許される範囲で上手に使える人が売上を伸ばすのかもしれないですね。