良い経費削減と悪い縮小均衡

今から10年位前には随分と企業の経費削減を徹底するのがブームのような時期がありまして、接待交際費は廃止して広告宣伝費も半分以下にして、カタログやパンフレットの類は必要な分だけを社内で出力して、人件費のほうも正社員よりもパートやアルバイトの比率を高くしてと、行き着くところまで到着いたしましてこれ以上は経費削減できませんってところで、我が社も経営のスリム化に成功したなんて喜んでいる経営者は非常に少ないのではないでしょうかね?

よく会社の経営が傾いて資金繰りが苦しくなった時に自社ビルですとか福利厚生施設ですとか換金できるものを売却して運転資金に充当するなんて事が良く行われますけど、これって換金可能な資産をもっている時はまだ余裕が残っている状態で、それを資金繰りのために手放した状態になったら、もう後ろが無い崖っぷちの余裕が全く無い状態まで追い詰められたって事を意味するわけです。

もちろん経費削減は別次元の話で、そうやって出て行く資金を絞り込んでその分だけ利益が上がってくれば、余裕が出てきましたねって事にあるんですけど、私の知っている限りの話では徹底した経費削減で結果オーらいなんて話はあまり聞かないのです。

これは削減する経費の内容にもよりますけど人件費に手を付けるなんて最終手段を繰り出した場合ですと、経営者は人件費が圧縮されて良かったの世界ですけど働く従業員にとっては、愛社精神ですとかモチベーションの低下って悪い影響が出ますから長期的に見れば決して会社にとって良くはないのです。

さて良し悪しを別にして経費削減をどんどん進めていくと、いつの間にか縮小均衡思想にたどり着いちゃう経営者の方が出てきちゃうんですよね。

経費を削減しました→売り上げが減少しちゃいました→更に経費の削減に取り組みまして一部事業の譲渡や撤退などで経費を抑えました→売り上げは当然減少です→最初に戻る。

で気がついたら社員は数人になって閑散としたオフィスで残った社員が働いている、じゃあもっと小さい事務所にでも移転してなんて感じになった例は沢山ありますけど、会社なんてものはある程度の見栄とはったりが必要な世界でいかにして自分の会社を大きく立派に見せるかって処が対外的な信用の大きさにも影響してくるんですよね。

ですから良い経費削減って形の単に無駄な経費をなくしましたをするのは良いことですけど、会社の外の人間から見てどうもあの会社は昔と違って羽振りが良くないなんて思われるような形ですとか、下手な縮小均衡はかえって会社の寿命を短くする場合が多いと思うのですよ。